えこだの顔
江古田の気になるお店をインタビュー形式(Q&A)でご紹介。気になるポイントを聞いちゃいます。
Vol.2 | 暮らしを美しむ小道具の店 環(かん)[和雑貨]
Q. 店名がとにかくユニークですが、「暮らしを美しむ」ってどう言う意味ですか?
A. 美しい+楽しむの造語ですが、楽はどこ行った?って感じの店名ですよね。
開業する時、環だけだと何の店か分からないから、商品イメージを想起させたくてつけた店名です。将来的に、似た名前の事業者が出て「その名前は使うな」と言われたら困るなと妄想した結果、屋号は「暮らしを美しむ小道具の店 環」で登録しているので、正式書類へ記載する時には長いし欄が狭いしで、面倒くさくなっております。
Q. 店内に広がる色とりどり大小多種多様な商品!どのくらいの作家、工房(メーカー?)の商品を取り扱っているのですか?
A. 今ある商品については70社ほど。季節で取り引きしている工房や職人さんもいるので、合わせると100は越えていると思います。商工会議所の専門家無料派遣でコンサルを受けた時に、取引先が多過ぎるので半分に減らすと経営効率が上がると言われたことがありますが、事業方針が多品種小ロットなもので減ることが無く、おかげで7年目でも儲かる気配の薄い店です(笑
Q. 和のデザインってワビサビ的なシンプルなイメージもありますが、環さんの扱う和雑貨はどれも遊び心大盛りなデザインが多いですよね?環さんにとって和のデザインとはどんなものですか?
A. 伝統的な色柄を使っているから「和テイスト」ってのは日本人じゃなくても作れるモノづくりですよね。そこは上辺だけ真似てるから、真髄の部分ではない。日本人の感性だって時代時代、時々で変化してきた訳で、日本の今に合うことが大事なんじゃないでしょうか?色柄といった塗り絵的な上辺の要素以外に、素材を活かして作る、使い勝手が良い、長持ちする、など、商品を廃棄するまでの一連が、日本人フィルターに合致しているのが「和のデザイン」かなと思います。その中でも、目を惹く何かを持つものを探し出すところが店の個性になっているかなと思います。
Q. これらの商品を仕入れる時、直接やりとりする作家さんもいるんですか?やっぱり面白い方が多いですか?
A. その前に、私の中では、職人さんと作家さんを区別しております。職人は人間工場、ハイクオリティで同じものを短い時間で生産する方。工芸品は作家というより職人が多い分野。作家さんは、たくさん作るというより、ひとつのモノにこだわりが強い作り方をするので多作とは限らない。職人さんはある部分取り引きに対して常識的な受け答えが出来る方が多いですが、人間の中身はユニークな方が多いです。作家さんは、表面的なところからユニークな方が多いです。変人といえば、作家さんの方が多いかと思います。でも、職人よりも作家よりも、江古田では普通のお客様の方が比較にならないほどユニークな方が多いです。自由に振る舞っても可怪しいとか、可笑しいとか批判される(とがめられる)ことなく許容され、誰にも文句を言われない江古田は、生き易い街だなと思います。
Q. モダンモンペというか、ポップな作務衣というか…環さんは格好もかなりユニークですが、こだわりポイントは?
A. 店のユニフォームなので出来るだけ長く同じイメージを保てることも必要要件で、出来るだけ楽で動き易い形と、中年太りのナイスバディを掛け合わせてこの格好にたどり着きました。絞めるところが少ないので、楽ちんです。(なんてことを答えさせるのよ ブヒ
Q. 「暮らしを美しむ小道具の店 環」にとって江古田ってどんな街ですか?
A. 昭和生まれの私が息をしやすい街ということで、時間の流れが昭和的。穏やかでのんびりおっとりしています。デジタルの速さはありませんから、何をやっても時間が掛かります。人間関係は時間を掛けて育むものという点は、今も昔も変わりは無いのだし、時間を掛けて育むものほど大切なものだと、その当たり前のことを気付かせてくれる街。そんな時間感覚が当店の事業の目指すところに合致しているから、うちの店も続けてこられたかなと思います。江古田は、人間らしい暮らしの時間が流れている街。